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5・18~20沖縄闘争に参加した青年の感想

月刊『労働運動』34頁(0352号07/01)(2019/07/01)


5・18~20沖縄闘争に参加した青年の感想

(写真 写真は、奈良の青年が糸数豪などに行った場面)

東京労組交流センター T


 沖縄の歴史を学び、当該の人の話を聴き、考え、行動した非常に意義深い3日間でした。「5・18沖縄集会」では、2017年12月7日に米軍機の円筒状の部品が落ちているのが見つかった緑ヶ丘保育園の保護者らで組織する「チーム緑ヶ丘1207」の皆さんが講演しました。対話を求める保護者らに対して、頑なに拒否する政府の態度が暴露され、私たちは正義性、正当性から、何が何でも反対の意思を示さなければならないと強く思いました。その思いを示すものとして、辺野古新基地建設に反対する座り込み行動に参加しました。今は情勢が完全に煮詰まっているため、相手も何をしてくるか分かりません。非常に腹立たしいですし、かなりの緊張感がありましたが、少しでも工事を遅らせることが計画を大破綻に追い込むものであるから、そのことに確信を持って行動に取り組みました。
 私たちは、しばらくの間、列をなしやって来たダンプカーとにらみ合っていました。にわかにダンプカーが動き出し、来た道を背に走り去って行きます。その光景に、一同勝利を確信し歓声をあげました。ダンプカーの一団はことごとく走り去って、警備員は出入り口を封鎖するための土のう袋を積み出しました。私たちが実力で土砂投入を阻止した瞬間です。その勝利は一瞬ですが、国家権力に対して実力で勝利した事実は確固たるものです。団結の力の大きさを実感しました。
 「自分の立場だったら、どう思うか」。普遍的な問いかけに対して、どれだけ真剣に向き合えるでしょうか。今、沖縄で起こっていることは、一人ひとりに突きつけられている問題です。到底一人では解決できないことでもあると思います。そんな一人ひとりを結集するのが労働組合であると思います。労働組合は、私たちの最も身近に存在する社会参画の場だからです。日々の労働に忙殺されてしまいそうですが、3日間で得られた経験を職場で活かしていきたいと思っています。

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東海合同労働組合ガソリンスタンド労働者分会 分会長 上本龍一


 私は、今回、三度目となる沖縄闘争に結集しました。結集した、全国の闘う労働者同志・学生同志のみなさん
、お疲れさまでした☆
 さて、私は、5月19日、糸数壕見学に行き、沖縄の現地ガイドの方と共に、糸数壕内部を歩きました。そこで明らかにされたのは、糸数壕の不衛生な環境と、食料不足、そして、時には糸数壕で共に暮らしていた人たちをも見捨てなければならない状況など、凄惨な実情でした。この凄惨な実情に、私は、何度も、感極まる場面があり、最後の糸数壕犠牲者の慰霊碑では、涙が頬を伝いました。同時に、時には共に暮らしていた人たちをも見捨てなければならないという、糸数壕の凄惨な実情は、新自由主義の現代で、形を変えて噴出していると感じました。まさに、新自由主義の現代は、戦時体制そのものです。
 私は、マルクスの『賃金・価格・利潤』などで、労働組合が政治闘争をやらなければならないということについては、理論的な理解に留まっていました。
 ですが、糸数壕見学を通じて、戦争絶対反対を掲げることと、職場支配で闘うことは一体であることを、実践的に鷲掴みできました。また、星野さんの再審無罪の闘いは、新自由主義の世の中を変える決定的な闘いであることも掴みました。
 加えて、前日の、国際通りデモで、私たちに張り付いて「平和のためには核武装!!」と喚いていた右翼反動どもを思い出し、「安倍政権、資本家ども、右翼反動どもに、俺たちの未来を壊されてたまるか!!」という怒りが、私の中で太陽プロミネンスの如く、吹き荒れました。
 今回の沖縄闘争は、濃密なスケジュールでしたが、無事にやりきることができました。沖縄闘争で感じた、様々な思いを武器に、職場での組織拡大に向けて、会社との闘いを大勝利で貫徹させる決意です。全国の闘う同志の皆さん、共に闘いましょう!

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奈良労組交流センター


 今回の沖縄闘争に、奈良労組交流センターから3人が参加しました。
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 今回初めて辺野古ゲート前に参加し、キャンプシュワブ新基地建設反対の闘争に触れてきました。現地の人の話で、「今までは毎日埋め立て工事を止めるために弾圧覚悟で闘ってきたが、この工事は今日明日終わる工事じゃない。不当逮捕やけが人が出る運動から、一日でも伸ばす運動に切り替えて、一人でも多くの人に沖縄の現状、基地の島の現状を知ってもらう運動にした」と話されていました。
 この埋めたてのためなら、警備に一日約1700万円ものお金を湯水のように使い、毎日3回、何十台ものトラックが警察の先導車の後に車列をつくって大量の土砂を運んで、自然豊かな辺野古の海に入れられる。この目の前で行われるはずだった光景は座り込みで阻止し、みんなで歓声を上げました。
 辺野古新基地阻止と共に、戦争・改憲に向かう安倍政権を打倒しましょう。 櫻井寛仁

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 沖縄闘争に初めて参加しました。2日目に糸数豪に行き、現地のガイドの女性の方が戦時中に体験された方から聞いた話をまじえ案内してくださいました。
 糸数豪は自然にできた岩肌むき出しの足場の悪い急斜面で入口が狭い暗くて何もない所でした。
 そんな所に当時、日本軍の司令室や傷ついた日本兵の手当てをする診療所があったそうです。診療所といっても必要な器具も薬もなかったそうです。そんな所に傷ついた日本兵が運ばれてきて手当てをするのですが薬が足りず、そのままにしておくと傷口から腐ってきて手や足を麻酔もしないで切り落としていたそうです。
 そんな生き地獄のような事が実際にここであったんだと現地に行って分かりました。
 戦争と一口で言ってきたけど、こんな事が改憲によって本当に起きてしまうんだと重く実感しました。日帝安倍打倒!改憲、戦争絶対反対で闘っていきます!  桝本 達也

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 私は今年の沖縄闘争から「あきらめない」ことを学んだ。
 緑ヶ丘保育園のお母さんたちの話は衝撃だった。これまで「当たり前」だった基地に、我が子が危険な目にあった瞬間、一気に怒りが爆発。自分の子どもだけでなく、すべての子どものために、様々な妨害をはねのけて闘いを開始。女性が決起し階級性に目覚めていく姿は、福島や大阪・豊中で闘うお母さんたちと同じように重なった。
 さらに、辺野古ゲート前の粘り強い闘い。積み重ねの中で培ってきた組織的な献身的な豊かな闘いに心を打たれた。
 私は沖縄で、奈良の下水道民営化反対訴訟の奈良地裁での反動判決(5月16日)を思いだしていた。なぜ当たり前の声が認められないのか? でも必ず怒りは爆発する。その日まで、あきらめずに闘おう。裁判は控訴します! 吉谷宏子