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全国労組センター女性部第26回大会報告 今こそ組織拡大を実現しよう!

月刊『労働運動』34頁(0352号08/01)(2019/07/01)


全国労組センター女性部第26回大会報告
今こそ女性部の組織拡大を実現しよう!


辻川あつ子(全国女性部事務局長)

 5月26日、全国労組交流センター女性部は、第26回定期全国大会を都内で開催しました。

杉並区議選を闘った教訓を討論

 大会は、「杉並区議会議員選挙」を全力で闘った女性部会員の勝利感であふれ、一人ひとりが選挙闘争から掴んだ確信や教訓が報告・討論される内容となりました。「安倍政権の『働き方改革』と対決し、職場や地域の具体的課題に取り組み、『改憲・戦争阻止!大行進』運動を広げる。激動の情勢下、女性部は何をするのか。どういう組織が必要なのか。今こそ議論を重ねながら、女性部の組織拡大を進めよう」と決議されました。
 全国労組交流センター本部から飯田英貴事務局長が「資本家が言うところの『AIだ。自動運転だ』などは、労働組合破壊のイデオロギー攻撃だ。JRの労働組合潰し攻撃が激化している。さらに利用客が東日本で第9位という秋葉原駅まで外注化する大転換が始まっている。国鉄闘争を闘い続ける全国労組交流センターの運動にこそ、安倍・支配階級の『働き方改革』と改憲・戦争攻撃に立ち向かう力がある」と挨拶されました。(この後、6月に入って、横浜市の「金沢シーサイドライン」の自動運転車両が逆走した事故を起こしました。原因不明のまま、運転士の乗務で営業を再開、後日、信号ケーブルが切断していたこと、逆走を止めるプログラムはなかったことなどが報じられていますが、詳細は未解明です。自動運転システムは一つ間違えば大惨事になりかねないことが暴露され、自動化万能神話は崩れました)。
 婦人民主クラブ全国協議会の鶴田ひさ子さんからは、「杉並区議選で洞口ともこさんに共感した若い女性たちが声を上げ始めた。沖縄の緑ケ丘保育園のお母さんが起ち上がって基地反対の闘いが開始されている。共に闘おう」と挨拶がありました。「子どもの命が危ない。生きさせろ」と、黙っていられない女性たちの決起が開始されたことを実感しました。

改憲阻止大行進運動が各地で前進

 討論では、沖縄闘争に参加した会員(医療)から発言がありました。「労働組合の賃金闘争は、労組に加入していない労働者にとっても第一の関心事であり、労働者全体の共感を得て闘われている。沖縄闘争に参加して、仲間の結集で辺野古の土砂搬入を阻止した。緑ケ丘保育園のお母さんたちの闘いに感動した」などが報告されました。
 多くの地区から「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」のような運動を作ろうと目標にされている広島からも発言がありました。具体的な闘争課題を軸に据えて、物販などでつながっている労働者や労組を訪ね、「自分や組合はまだ何もやれていない」と思っている労働者に、この声明への賛同を求め、拡大したことが紹介されました。
 さらに、会計年度任用職員の問題で、自治労傘下の組合が当局とのの団体交渉で決裂したことなど、現場の労働者の闘いに展望が出ていきていると報告がありました。
 関西からは、公立子ども園廃止や小中学校の統廃合問題で、労働組合の仲間が軸になって、保護者や地域住民が闘いに起ち上がっていることが報告されました。話し合いの中で「自分の子どものために」と言っていた親が、討論の中で「地域や子どもたちを守る」という考え方に変わったことど、全労連の路線では獲得できない主体的な運動作りが報告され、共有しました。「労働者は自分だけがよければ」という存在ではなく、職場や地域で具体的な問題でつながり、「資本家のための戦争は止めろ!」と必ず起ち上がるという確信を持ちました。
 岡山の仲間からは、「新自由主義」によって拡大した災害に対し、必死で踏ん張り闘っている倉敷市職労の仲間の現状や災害支援へのお礼があり、災害地への天皇訪問抗議行動を行ったことが報告され、戦争政策で地方を切り捨てる政策に対し、戦争反対で闘う決意も表明されました。
 各地で婦民の仲間と協力して勝ち取った国際婦人デー行動の報告や、今後、「改憲・戦争阻止!大行進」運動をどのように組織していくのか、活発に論議され、闘いの展望が出されました。
 洞口さんの選挙運動を自分の闘争として取り組んだ東京の仲間からは、何度も諦めずに個別訪問した体験、最初は「知らない」という人に「ほらぐち」という名前を何度も繰り返すところから始まり、後半では、「知っています」「見ました」に変化していったことが報告されました。自分の経験を活かし、教育労働者と出会い、逃さずに繋げた取り組みや、「自分を変革する」を課して選挙闘争を進めたことなどが報告されました。  安倍政権の攻撃の激しさは、各地区において、今まで一緒に合流出来ていなかった活動家や人士との関係も変えています。星野救援や地域闘争の場で、新たな共闘関係が生み出されています。
 大会終了後の交流会でも、尽きることなく、一人ひとりの選挙闘争が語られました。
 私も、洞口さんのチラシまきを区役所前で行った時のことを報告しました。「今、この人に期日前投票で入れて来たよ」という人が4人も出て、「面白くなりそうだから」「女性だから応援したい」との声を聞いたことを報告しました。この時「署名用紙を持っていればよかった」と反省し、その後の地元の行動には署名用紙を持ち歩くようにしました。
 「杉並選挙闘争」や各地区の闘いの中で、女性たちの「生きさせろ」の決起が開始されていることを実感しています。不屈に国鉄闘争を闘ってきた私たちが、職場や地域で軸を立て、具体的な要求や行動で女性たちの怒りを集めましょう。「働き方改革」反対、「改憲・戦争阻止!大行進」運動に、女性部は全力で取り組みます。