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ひめじょおん―女性部から 保育民営化反対の闘いを進めよう

月刊『労働運動』34頁(0352号14/01)(2019/07/01)


ひめじょおん―女性部から
保育民営化反対の闘いを進めよう


 5月30日の星野文昭さんの逝去は、本当に悲しく、悔しさが胸に迫り眠れませんでした。6月8日の葬儀に参列し、星野さんが示された「労働者階級の団結を信じ、闘いぬく力の偉大さ」を改めて実感しました。「文昭の遺志を引き継ぎ、再審無罪を勝ち取るまで闘う」と決意された暁子さんと共に、全国労組交流センター女性部も闘う決意を新たにしています。

〈福岡市の保育民営化後の公立保育所の実態〉


 福岡市は、2006年から2017年までに、21カ所あった公立保育所のうち14カ所を民営化し、7カ所を公立保育所として存続させています。
 その中の4保育所において集中的に休日保育を実施。この保育所の休日は、年末年始の6日間のみ。しかも、開設時間は7時から19時の最大12時間にも及びます。

〈休日保育を担っている保育士さんの話〉


●休日保育の体制は、園長か主任、正規2人、非正規3人で、子どもの数によって非正規の人数を調整します。こんな体制が組める公立保育所でないと、休日保育はできないと思います(しかし、すごく無理がある)。
●職員のローテーションが小刻みのためシフト表が細分化されていて、混乱しそうになります。開設時間が長時間になるので、1日で何人かの入れ替わりをしないとやっていけません。
●「年中無休」「眠らない保育所」が保育士の間で合い言葉のように使われています。しかも、市内の休日保育がこの公立4保育所に集中しているため、他地域の幼児たちも集中します。
●休日のたびに子どもたちの一部は入れ替わり、その当日に子どもの年齢・人数に合わせて教室配置を割り振ります。お迎え時間や体調の打ち合わせなども気が抜けません。いつも顔を合わせない子どもや保護者もいるため気を遣うことも多いです。
●休日保育は保育士だけでは成り立ちません。子どもたちの食事も提供しなければならず、10時のおやつ(未満児)、昼食、3時のおやつ、夕食と4回の提供を行います。給食調理を担当する職員も、保育士と共に休日保育を担います。特に子どもの体調・アレルギーの有無・内容などの情報共有には大変気を遣っています。
 親の仕事の関係から、休日保育の要求が増える中、私立の保育園では「保育士不足」「儲けがない」「責任がとれない」等のリスクを懸念して実施していません。そのリスクも含めて、公立保育所だからと押しつけられ、強労働を強いられる現場になっているのです。

 安倍政権は、「保育無償化」政策で、公立保育所には国からの補助を打ち切り、地方自治体に丸投げし、公立保育所を潰す意図をもって政策を進めています。組合を潰し、労働者をバラバラにし「非正規だけの社会」をつくり、戦争に突き進もうとしています。絶対反対しかありません。大阪豊中の闘いに学び、「保育民営化反対、無償化より公立を増やせ」の闘いを進めていきましょう。